HOW TO COMPOST YOUR BOX

 スイッチひとつで機能する日常に囲まれた私達にとって、自然は身近でありながらも少し遠い存在と感じるかもしれません。街路樹の葉がいつの間にか変化するように自然は確実に影響しあっていて、私達はその流れの中にいます。小さなコンポストの中には無数の小さなはたらきが存在し小さな地球を創り出していきます。大地から食物をいただき、その残りが土に還っていくさまから自然の成り立ちを実感し、失敗と成功を繰り返すうちに自分の感覚が研ぎ澄まされていくのを感じるはずです。毎日の生活にコンポストという存在によって、あなたの感性が豊かになっていくのを実感してみてください。

コンポストとは?

食べ物や落ち葉などの有機物が微生物の力で発酵・分解され、作り出される堆肥のこと。また、その仕組みの総称としても多く語られています。陽当たりの良い庭やベランダに風通しの良いコンポスター(堆肥を作るための容器)を設置したら、生ごみや雑草を入れ込んでかき混ぜるだけ。環境によりますが2~3週間程度で生ごみが栄養素豊富な土の素ができます。コンポスターには様々な形があり、サイズや種類によって入れられるものが変わります。

作った堆肥をどう使う?

植物や家庭菜園などに肥料として使用したり、土作りに活用することができます。地域によっては堆肥を回収し、収穫物を分配するなど様々な取り組みが行われているところもあります。

コンポストは何がいいの?

コンポストは生ごみを減少させることができます。調理の油分を排水口に流さないため、排水管や川を清潔に保ちます。家庭菜園や観葉植物に活用することができる上、植物は二酸化炭素を吸収して酸素を排出したり、ごみを減らすためCO2の削減につながります。微生物の力と自然の循環を学びながら、助け合いによってコミュニティが育成されサステナブルな暮らしを基盤にした地域社会を作り上げていきます。

コンポストにはいろんな種類が

コンポスターには地面に設置するもの、ベランダで箱を使用するもの、室内でも使えるバッグタイプの他、電動で乾燥したり排水口に直接設置するものなど様々な種類があります。タイプによって投入できる生ごみの種類やケアの方法が変わります。自分のライフスタイルに合った正しい運用で匂いや虫に悩まされることなくコンポストを楽しむことができます。

tefutefu boxおすすめ。
段ボールコンポストとは?

ダンボールコンポストとは北海道の主婦の工夫を発祥としながら『NPO法人 循環生活研究所』などが開発した低コストで始めることができる方法です。使用する段ボールは、厚みがあり化学塗料などを使用していないダンボールが適しています。tefutefu boxでは、コンポスターとしての用途を想定した肉厚で、コンパクトな80サイズ(315x225x235mm)を採用しています。

<材料>

段ボール箱(tefutefu box)
底にひく段ボール1枚
段ボールの足となるスノコなど(ブロックでも)
隙間を埋めるガムテープ
布や毛布などの虫除けカバー
シャベル(かき混ぜる用)

 

<基材>

ココピート(もしくは落ち葉をよく揉んだもの)6L
くん炭4L

作り方


1. 段ボールのすき間をガムテープで塞ぐ ※虫の侵入を防ぐためしっかりと!
2. 底の内側にもう1枚段ボールを敷いた上に野菜が梱包してあった紙を数枚敷く
3.段ボールの下に足となるスノコやカゴを置いて通気を確保し、陽当たりの良いところに壁から5cm以上離して設置 ※直置きは底が抜けるのでNG

 

4. くん炭、ココピートを入れてよく混ぜ合わせる ※ベランダでの作業がオススメ
5.ふたをして虫除けカバーをかける

生ごみコンポストの方法



1. 水を切った生ごみを細かく刻み、基材の中央に穴を開けて投入する。生ごみは必ず中央に投入し、中心部が発熱する状態になるように。土は握ると少し固まるくらいの水分量を保つ
2.毎日一回、土の中に空気をいれるように混ぜあわせ、土を上からかぶせる※生ゴミは毎日投入できるが、投入しない日にも必ず混ぜる
3.毎回必ずふたをして虫除けのカバーをする。気温が15度を下回るときは毛布などをかぶせる(発酵が始まると、ダンボールの中の温度が30~60度に上がります)
4. 生ごみを加えるのは2ヶ月間が目安。その後熟成期間に入ったら生ごみは新しい基材へ。熟成中は週に1度かき混ぜて空気に触れさせ、約1ヶ月でコンポストの完成

 <分解されるもの>

・調理中に出た野菜の皮や芯、廃油、魚のあら、炭水化物などの食べ残し、コーヒーかす
 ※乾燥したもの(玉ねぎ・とうもろこし・筍の皮など)は分解までに時間がかかります
・再生産不可能なピートモスよりも、産業廃棄物であるヤシガラ繊維をリサイクルしたココピートや乾いた落ち葉をおすすめします

 

<分解されないもの>

・貝がら
・卵の殻など

 

<注意点>

・温度を約15~20度の気温または室温を維持すると分解がうまく進みます
・4~5日かき混ぜないとダニや小バエの原因になります
・ビニールなどは通気性が悪いため、使用しないでください
・生ごみはできるだけ早く、細かく、水を切って入れてください
・数日経った生ごみは虫が発生する原因となるので使用しないでください
・一度に大量の魚類の投入はアンモニア臭の原因となります
・廃油や米ぬか、炭水化物は微生物の働きを助け温度が上昇します
・落ち葉は炭素源や水分調整としても使えますが、針葉樹やくすのきなどの樟脳を含む植物の葉は発酵が進みにくいので注意してください
・堆肥を使用する際、未熟成のものは作物の成育に影響しますのでしっかり完熟させてください
コンポストの水分量が足りないときは、水道水やお米のとぎ汁を追加して調整してください

 

tefutefuダンボールコンポストの様子はinstagramにて配信予定です。@tefutefulabをフォローしてぜひ一緒にコンポストを楽しみましょう!

 

監修:パーマカルチャーデザイナー 四井真治氏